ダイヤモンドの歴史とは?カットや価値が変わらない理由について

ジュエリー

今では宝石の定番になっている美しい輝きをもつダイヤモンドですが、深い歴史があることをご存じでしょうか。
実はダイヤモンドは古代ローマ時代にインドからもたらされたものだといわれています。
ダイヤモンドにまつわる歴史や、なぜ時を経てもその価値が変わらないのかについてご紹介していきます。

ダイヤモンドの歴史

ダイヤモンドの誕生やどのように伝わってきたのか、ダイヤモンドにまつわる歴史をご紹介します。
ダイヤモンドが誕生したのは、人類が誕生する前の30億年ほど前だといわれています。
岩石に含まれている炭素が地底の高温と高圧によって結晶化されてダイヤモンドになり、それが火山の噴火によって人間が採掘できる地表近くに運ばれました。

最初にダイヤモンドを採掘したといわれているのはインドだといわれています。
そこから古代ギリシャへ伝わりましたが、当時のダイヤモンドは今のようなキラキラしたものではなく、魔除けやお守りとして使われている一般的な石として扱われていました。

当時は研磨の技術や加工の技術もなく、ただの石として扱われていたダイヤモンドでしたが、特に注目されるようになったのはさらに時を経た14世紀~15世紀頃の話です。
ダイヤモンドに価値を見出すために多くの人々が試行錯誤で研究を重ね、ダイヤモンドの輝きを見出す加工法を編み出しました。
この加工法が確立されたことでダイヤモンドの価値は確実なものとなり、やがて世界へ広まっていくことになります。

私たちがお店などで目にするダイヤモンドのルーツはインドからきていると思うと、少し見方が変わって面白いですね。

カットの歴史

ダイヤモンドの誕生にまつわる歴史やルーツをご紹介しましたが、そこには職人や研究者たちの加工技術と密接な関係があります。
ダイヤモンドのカットとその歴史についてご紹介します。

古代インド

当時のインドではダイヤモンドは「インド石」と呼ばれており、硬さの象徴だといわれていました。
後世ほどの高い研磨技術はありませんでしたが、楕円形を半分に切ったような形の「グレートムガル」や角棒状の「シャー」と呼ばれるダイヤモンドが生みだされました。

14世紀~ヨーロッパ

インドから流れてきたダイヤモンドは14世紀頃からヨーロッパで急速に発展します。
職人たちは日々、どうすれば美しく輝かせられるか、どうすれば美しい形に見えるのかを研究していて、その中で ブリリアントカットの原型になった「テーブルカット」やエメラルド・カットの原型になった「ローゼンカット」などの卓越したカットが生みだされます。

17世紀~ヨーロッパ

多くの人がダイヤモンドの価値を見出したため、インドや南アフリカから大量のダイヤモンドが輸入されるようになりました。
この頃から従来のダイヤモンドを更に進化させた美への追及が特に高まっており、フランスやイタリアなどでは面数の多い複雑なカットが増えてきました。
24の三角形の面が組み合わされた「ローズ・カット」や、現在も人気のラウンド・ブリリアント・カットの原型ともいわれる「オールド・ヨーロピアン・カット」などはその代表的な存在だといえるでしょう。

20世紀~

20世紀に入ってからもダイヤモンドのカットは開発されています。
様々な国の職人の加工や技術をより昇華させ、定番の「ラウンド・ブリリアント・カット」や「エメラルド・カット」が開発されるようになりました。

ダイヤモンドの加工技術は近年に急速に発達したわけではなく、数世紀に渡って受け継がれてきた長い歴史が積み重ねられた結晶だといえるでしょう。

ダイヤモンドの価値が変わらない理由

ダイヤモンドにまつわる歴史やルーツをご紹介しましたが、これだけ古い歴史があるダイヤモンドはなぜ現在でも価値が変わらないのでしょうか。

代表的な理由としてあげられるのは、やはりダイヤモンドの「希少性」です。
マーケットには需要と供給が存在しますが、ダイヤモンドの供給量は非常に少なく、年間での採掘量も非常に限られています。
色がついた天然の「カラーダイヤモンド」はその中でもごく僅かです。

近年では比較的入手しやすい人工のダイヤモンドなども増えてきましたが、それでも天然ダイヤモンドの人気は高いことから一定の水準から下がりにくいのです。

関連記事:ダイヤモンドの価値を決める基準とは?品質や加工方法で価値は変わる

いつの時代でもダイヤモンドは憧れの的

今回はダイヤモンドの歴史や、なぜダイヤモンドの価値が変わらないのかをご紹介しましたがいかがでしたか。
華やかで煌びやかな印象のあるダイヤモンドですが、そこには深い歴史と先人の方々の奮闘が隠れています。

美しいものが愛されるのは昔も今も変わりません。
これからもダイヤモンドは時を超えて、末永く愛されていくことでしょう。